そもそも売掛金が
発生しにくい業種とは
ファクタリングは「売掛金(後払いの請求書)」を買い取るサービスです。現金・カード払いが中心のBtoC事業や、前払い型のビジネスモデルでは、そもそも売掛金が発生しません。
以下のような業種・事業者は、ファクタリングを使いにくい傾向があります。
業種ごとの資金繰りの特徴は、美容室・サロン、飲食店、ペット関連事業、農業・農家の各記事で詳しく説明しています。
BtoC事業でも、法人・団体との取引がある場合は売掛金が発生することがあります。例:法人向けのケータリング、企業研修、法人契約のフィットネスなど。その部分だけファクタリングを使えるケースもあります。
売掛金がなくても使える
資金調達方法5選
国が運営する政策金融機関で、創業期や小規模事業者向けの融資制度が用意されています。売掛金は不要で、事業計画や実績をもとに審査されます。創業前後の事業者向けの制度もあります。
- 長期で返済できる制度がある
- 創業期向けの制度がある
- 売掛金不要
- 審査に時間がかかり、急ぎには向きにくい
- 事業計画書の作成が必要
- 借入なので返済義務あり
創業向けの「新創業融資制度」は2024年3月31日で終了しました。2024年4月以降は、無担保・無保証人で利用できる場合がある制度が別に用意されています。金利・限度額・条件は変更されることがあるため、必ず日本政策金融公庫の公式サイトで最新の内容を確認してください。
銀行・信販会社・ノンバンクなどが提供する、事業者向けのローンです。担保や保証人が不要なものが多く、審査が早い商品もあります。その分、金利が高めになる傾向があるため、返済額を試算してから検討することが大切です。
- 審査が早い
- 売掛金不要
- オンライン完結が多い
- 金利が高め
- 借入なので返済義務あり
- 赤字だと審査に響く
事業者向けに貸付を行う会社は、貸金業の登録が必要です。契約前に、金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で登録の有無を確認し、金利・返済額・手数料を書面で確認してください。
法人カードを使って仕入れ・経費の支払いを翌月・翌々月に先送りにすることで、実質的に手元の現金を温存できます。直接的な「資金調達」ではありませんが、資金繰りの改善手段として有効です。
- コストがほぼかからない
- ポイント還元もある
- 手続きが簡単
- 調達ではなく先送り
- 限度額に上限がある
- 翌月の支払いが増える
カードのショッピング枠を使って現金を作る「現金化」は、カード会社の規約違反になるおそれがあり、トラブルの原因にもなります。ここで紹介しているのは、仕入れや経費の支払いに使って、支払日を後ろにずらす使い方です。
国・自治体が提供する補助金・助成金は、原則として返済不要の資金です。小規模事業者持続化補助金・IT導入補助金・各種雇用関係の助成金など、業種・状況に応じて使えるものがあります。ただし、公募の時期や条件が決まっており、申請から入金までに時間がかかります。多くは事業を実施した後に支払われる後払いのため、急ぎの資金調達には向きません。
- 返済不要
- 借入と違い、返済の負担がない
- 設備投資・販路開拓などに使える制度がある
- 入金まで時間がかかる(後払いが多い)
- 使途が限定されることが多い
- 申請書類が複雑
「Jグランツ(jgrants.go.jp)」で自社が使える補助金を検索できます。地元の商工会議所に相談するのも有効です。
飲食店・小売・サービス業など、BtoC事業者と相性のよい資金調達方法です。商品・サービスを事前に販売する形で、支援者から資金を集めます。資金調達と同時に、PRや集客にもつながる点が特徴です。
- 返済不要
- 集客・PR効果も得られる
- BtoC事業と相性が良い
- 方式によっては、目標金額に届かないと資金を受け取れない
- リターンの準備・発送が必要
- プロジェクト作成に手間がかかる
5つの方法を
一覧で比較する
| 方法 | スピード | 返済 | 売掛金 | こんな人に |
|---|---|---|---|---|
| 日本政策金融公庫 | 数週間かかることも | 必要 | 不要 | 長期で借りたい・創業期 |
| ビジネスローン | 早い商品もある | 必要 | 不要 | 急ぎで、金利を理解して使える |
| 法人クレジットカード | カード発行後 | 翌月払い | 不要 | 支払いを先送りしたい |
| 補助金・助成金 | 数ヶ月以上 | 原則不要 | 不要 | 急がない・設備投資など |
| クラウドファンディング | 数ヶ月 | 不要(購入型) | 不要 | BtoC・集客も同時にしたい |
| (参考)ファクタリング | 早い場合が多い | 不要(償還請求権なしの場合) | 必要 | 売掛金がある会社向け(手数料あり) |
急ぎで必要ならビジネスローン(金利は確認を)。長期で計画的に借りたいなら日本政策金融公庫。返済の負担を避けたいなら補助金かクラウドファンディング(時間はかかります)。BtoCで集客も兼ねたいならクラウドファンディングが選択肢になります。状況によって合う方法は変わるため、複数を比べて決めることが大切です。
自分の状況でどの方法が合うかを、質問に答えて確かめたい方は、資金調達サービス比較ツール(診断つき)もご利用ください。
状況別|どの方法から
検討するか
方法の優劣は、「いつまでに」「いくら」「何に使うか」で変わります。自分の状況に近いものから、確認してみてください。
今月の支払いが足りない
時間がないときは、ビジネスローンや、すでに持っている法人カードの活用が候補になります。ただし、金利や手数料を確認せずに借りると、返済が負担になることがあります。まず「いつ・いくら入金される予定か」を整理し、不足する金額と期間を確かめてください。支払い先に相談して、支払日を調整できる場合もあります。
設備投資や新しい取り組みに使いたい
時間に余裕があれば、日本政策金融公庫などの融資や、補助金・助成金が検討できます。補助金は後払いのものが多いため、先に自己資金や融資で立て替える計画が必要になる場合があります。
創業したばかりで実績が少ない
創業期向けの融資制度があります。事業計画書の作成が必要になるため、地域の商工会議所や公的な相談窓口で、書き方を相談すると進めやすくなります。
BtoCで、お店のファンを増やしたい
クラウドファンディングは、資金の調達と同時に、お店や商品を知ってもらう機会にもなります。ただし、準備に手間がかかり、リターンの提供も必要です。
どの方法を選ぶ場合でも、毎月の入金と支払いを一覧にして、いつ資金が不足しそうかを見える形にしておくと、必要な金額と期間が明確になります。苦しい状況が続いている場合は、一人で抱え込まないための最初の5ステップも参考にしてください。
「売掛金がない」と思っていても
実は使えるケースがある
BtoC事業をメインにしている会社でも、以下のような取引があればファクタリングを使える可能性があります。
例えば、飲食店でも「法人向けのケータリング」や「企業の社員食堂の運営」があれば売掛金が発生します。美容院でも「法人契約の福利厚生サービス」があれば対象になります。
「自分はBtoCだから無理」と決めつけず、取引の中に後払いの請求書が発生している部分がないか、一度確認してみてください。
個人(消費者)への売掛金は、ほとんどのファクタリング会社で対象外です。法人・団体・事業者への請求書があることが基本条件になります。
よくある質問
この記事のまとめ
- 売掛金がない会社でも、資金調達の選択肢は5つある。
- 急ぎなら「ビジネスローン」(金利に注意)、長期で計画的に借りるなら「日本政策金融公庫」。
- 返済の負担を避けたいなら「補助金・助成金」か「クラウドファンディング」(時間はかかる)。
- BtoC事業者でも法人取引があれば、ファクタリングが使える可能性がある。
- 状況によって最適な方法は異なる。複数の選択肢を比較して決めることが大切。
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