- 🩺 訪問は毎日しているのに、報酬が入るのは約2ヶ月先
- 👩⚕️ 看護師の給与は、毎月きちんと払わなければならない
- 🏠 開設したばかりで、最初の入金までの運転資金が心配
- 📄 請求に不備があると、入金が遅れると聞いて不安
訪問看護ステーションは、利用者の自宅を訪問して看護を提供する事業です。報酬は、介護保険や医療保険を通じて、あとから支払われます。この「あと払い」の仕組みが、開設初期や事業が成長している時期の資金繰りを、とくに苦しくしやすいと言われます。この記事では、訪問看護ステーションに特有の資金繰りの課題と、報酬債権のファクタリングという選択肢を、整理して解説します。
1. 訪問看護の資金繰りが厳しい4つの理由
① 報酬の入金が、サービス提供の約2ヶ月後になる
介護保険の報酬は、サービスを提供した翌月に請求し、審査を経て、その翌月に入金されるのが一般的です。つまり、訪問した日から入金まで、おおむね2ヶ月かかります。
② 人件費は、毎月先に出ていく
看護師の給与は、訪問した月のうちに、毎月支払う必要があります。ほかにも、交通費、車両費、訪問に使う消耗品などが、日々先払いになります。報酬の入金を待つあいだ、これらの支払いは続きます。
③ 開設初期は、最初の入金までが特に長い
開設して最初に訪問した月の報酬は、約2ヶ月後にならないと入りません。その間は、実績がほとんどない状態で、人件費や家賃などを払い続けることになります。利用者が増えて訪問回数が伸びるほど、先払いの人件費も増えるため、成長している時期ほど資金が必要になります。
④ 請求の不備で、入金が遅れたり、返還が必要になったりする
請求の内容に不備があると、差し戻しや減額となり、入金が遅れる場合があります。また、あとから不適正な請求が見つかった場合は、報酬の返還が必要になることもあります。請求の正確さは、資金繰りに直結する大切な点です。
2. 報酬の入金までの流れ(介護保険の場合)
請求の締め日や入金の日は、国保連ごと、月ごとに異なる場合があります。正確な日程は、事業所のある地域の国保連の最新の案内で確認してください。医療保険の訪問看護療養費は、介護保険とは別の仕組みで請求します。次の章で説明します。
3. 医療保険の訪問看護療養費の流れ
訪問看護は、介護保険と医療保険の両方で提供される、めずらしいサービスです。たとえば、介護保険の要介護認定を受けていない方や、病気の種類や状態によっては、医療保険での訪問看護になります。どちらの保険で訪問するかは、利用者ごとに決まります。そのため、ひとつの事業所が、2つの請求の流れを同時に管理することになります。資金繰りを考えるときも、この2つを分けて見ることが大切です。
請求は「翌月10日まで」
医療保険の訪問看護療養費も、介護保険と同じく、訪問した月の分を、翌月10日までに請求します。厚生労働省の通知でも、各月分の請求は翌月10日までに行うものとされています。請求先は、利用者が加入している医療保険によって異なり、国民健康保険や後期高齢者医療の方は国保連、会社員などが加入する健康保険の方は社会保険診療報酬支払基金が、主な窓口になります。
令和6年12月請求分から、オンライン請求が原則に
訪問看護療養費の請求は、以前は紙で行うのが一般的でした。令和6年(2024年)6月にオンライン請求の運用が始まり、令和6年12月請求分からは、訪問看護ステーションごとにオンライン請求で行うことが原則とされました。システムの整備が間に合わないなど、やむを得ない事情を届け出た事業所には、期限つきで紙での請求を認める経過措置があります。経過措置の期限は事情によって異なるため、自分の事業所が当てはまるかどうかは、届出先や国保連・支払基金の案内で確認してください。
医療保険の入金日は、支払機関や地域、請求の方法によって異なる場合があります。この記事では、具体的な日付は書いていません。資金繰りの予定表を作るときは、取引のある国保連や支払基金の最新の案内で、実際の入金日を確かめてから入れてください。介護保険と医療保険で入金日がずれる場合は、それぞれを別の行に書いておくと、足りなくなる時期が見えやすくなります。
資金繰りで気をつけたいこと
医療保険の利用者が多い事業所では、オンライン請求の準備や、請求ソフトの設定が整っていないと、請求そのものが遅れるおそれがあります。請求が翌月10日に間に合わないと、その分の入金は、ひと月遅れになるのが一般的です。開設の準備では、介護保険の指定だけでなく、医療保険の請求の準備も、早めに進めておくと安心です。
4. 報酬債権のファクタリングの仕組み
訪問看護ステーションが持つ、介護報酬などの報酬債権(国保連などへの請求権)を、ファクタリング会社に売却し、入金の前に現金を受け取る仕組みです。入金までの約2ヶ月間の資金を、前倒しで確保できます。
請求先が公的な審査支払機関であるため、一般的な売掛金と比べて、支払いの確実性が高いと見られやすい特徴があります。一方で、請求内容に誤りがないか、実際に請求した実績があるか、といった点も確認されます。また、対応している会社は限られるため、介護報酬や診療報酬の債権に対応していると明記している会社に、事前に確認してください。自費の訪問看護など、保険外の売掛金がある場合は、別の扱いになることがあります。
5. 利用の流れ
請求の内容がわかる資料や、通帳のコピーなどを準備して、対応可否を確認します。
請求内容や、事業所の状況、これまでの請求実績などが確認されます。
手数料や条件を確認し、納得したうえで契約します。償還請求権の有無は必ず確認してください。
手数料を差し引いた金額が、指定口座に振り込まれます。
6. メリットと注意点
- 約2ヶ月先の報酬を、前倒しで確保できる
- 請求先が公的機関のため、審査で見られやすい点がある
- 借入ではないため、負債にならない
- 開設初期や増員の時期の、つなぎ資金になる
- 手数料がかかる(続けて使うとコストが積み上がる)
- 対応している会社が限られる
- 差し戻しや減額になった分は、対象外になることがある
- 償還請求権(買い戻し)がある契約は、実質的に貸付に近い。契約前に確認する
7. 日ごろからできる資金繰りの工夫
- 請求の締め日を守る:請求が遅れると、入金も1ヶ月遅れます。締め日(翌月10日など)に、確実に間に合わせます。
- 提出前に、内容を確認する:請求の不備は、差し戻しや減額の原因になります。提出前に、2人でチェックする仕組みがあると安心です。
- 2〜3ヶ月先までの、入出金の予定表を作る:人件費を中心に、いつ、いくら足りなくなりそうかを、見える化します。
- 開設時の資金は、余裕を持って考える:最初の入金まで約2ヶ月かかることを前提に、運転資金を見積もります。
- 公的な融資や相談窓口を、先に確認する:日本政策金融公庫などの融資や、商工会議所、都道府県の相談窓口があります。対象条件は異なるため、窓口で確認してください。
手段をまとめて比べたい場合は、資金調達サービス比較ツールで、診断できます。資金繰りの悩みが大きいときは、最初の5ステップも参考にしてください。
報酬の入金を、待たずに確保する
請求の実績があれば、資金調達について相談できます。相談だけでもOKです。
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8. おすすめファクタリングサービス2選
医療・介護関連の債権を含め、幅広い業種への対応実績があります。オンライン完結で、小規模な事業所でも相談しやすい環境が整っています。
アウル経済に無料相談する →9. よくある質問
📝 この記事のまとめ
- 訪問看護の報酬は、サービス提供の約2ヶ月後に入金される(介護保険の例)
- 医療保険の訪問看護療養費も、請求は翌月10日まで。令和6年12月請求分からオンライン請求が原則
- 人件費は毎月先払いのため、開設初期や成長期ほど、資金が必要になる
- 請求の不備は、入金の遅れや返還につながるため、正確な請求が大切
- ファクタリングは、報酬債権を前倒しで現金化できる手段。対応する会社は限られる
- 日ごろから、締め日の厳守と、2〜3ヶ月先の入出金予定の見える化を進める
・厚生労働省「訪問看護療養費及び公費負担医療に関する費用の請求に関する命令及び指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準等の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和6年1月12日)
・金融庁 ファクタリングに関する注意喚起のページ