- 💊 医薬品卸への支払いは毎月あるのに、保険からの入金は2ヶ月先
- 📉 薬価改定のたびに、利益が薄くなっている気がする
- 🏪 個人経営・小規模店舗のため、大手チェーンのような資金力がない
- 🏦 銀行融資は、決算内容によって審査が厳しくなることがある
調剤薬局の収入の柱は「調剤報酬」です。処方箋を受け付けて薬を調剤・提供したあと、その対価は、患者の自己負担分を除き、審査支払機関を通じて、あとから振り込まれます。この振り込みまでの期間と、医薬品の仕入れの支払いサイクルには、ズレがあります。この記事では、個人経営・小規模な調剤薬局が直面しやすい資金繰りの課題と、ファクタリングという選択肢を解説します。
1. 調剤薬局の資金繰りが厳しい3つの理由
① 調剤報酬の入金が、約2ヶ月後になる
保険調剤の対価(調剤報酬)は、調剤報酬明細書(レセプト)を、社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会に提出し、審査を経て、診療月のおおむね2ヶ月後に振り込まれるのが一般的です。今月調剤した分の入金が、実際に手元に届くのは2ヶ月先、という時間差が常に生じます。
② 医薬品の仕入れは、先に支払う必要がある
医薬品卸への支払いは、月末締め・翌月払いなど、比較的早いサイクルで発生します。調剤報酬の入金までの2ヶ月と比べると、支払いの方が先に来る構造になっており、仕入れ量が増えるほど、その差を埋めるための資金が必要になります。
③ 個人経営・小規模店舗は、資金の余力が限られやすい
大手チェーンの調剤薬局と異なり、個人経営や1〜2店舗規模の薬局は、グループ全体で資金を融通する仕組みを持たないことが一般的です。門前薬局として特定の医療機関に処方箋の発行を頼っている場合、その医療機関の患者数の増減が、そのまま経営に影響することもあります。
2. 薬価改定が経営に与える影響
薬価(医薬品の公定価格)は、実勢価格(実際に市場で取引されている価格)に合わせて、定期的に見直されます。改定は、多くの場合、価格を引き下げる方向に働きます。
薬局は、医薬品卸から、公定の薬価より安く医薬品を仕入れ、保険からは薬価どおりの対価を受け取ります。この差額を「薬価差」と呼びます。薬価改定によって薬価そのものが引き下げられると、この薬価差が縮小し、これまでと同じ処方件数をこなしても、手元に残る利益が薄くなることがあります。
薬価改定のたびに収益構造が変わる可能性があることは、調剤薬局の経営における特有の事情です。資金繰りの見通しを立てる際は、この点もあわせて考慮しておくとよいでしょう。詳しい制度の内容は、厚生労働省の発表など、最新の公的情報でご確認ください。
3. 調剤薬局でファクタリングが使える仕組み
調剤薬局が保有する調剤報酬債権(レセプト債権)は、医療機関の診療報酬債権と同じように、ファクタリングの対象にできる場合があります。審査支払機関からの入金を待たずに、その債権をファクタリング会社に売却し、先に現金を受け取る仕組みです。
調剤報酬債権は、支払元が公的な審査支払機関であるため、一般的な売掛金と比べて、支払いの確実性が高いと判断されやすい特徴があります。ただし、対応している会社は限られるため、調剤報酬債権(診療報酬債権)に対応していると明記している会社に、事前に相談してください。自由診療分や物販の売掛金がある場合は、それらを別途、対象にできることもあります。
4. 利用の流れ
レセプトの請求内容がわかる資料、通帳のコピーなどを準備して相談します。
請求内容や、これまでの入金実績などが確認されます。
手数料や条件を確認し、納得したうえで契約します。償還請求権の有無は必ず確認してください。
手数料を差し引いた金額が、指定口座に振り込まれます。
5. メリットと注意点
- 支払元が公的機関のため、審査が通りやすい傾向がある
- 借入ではないため、負債にならない
- 医薬品の仕入れ資金を、前倒しで確保しやすい
- 薬価改定などで利益が圧迫される時期の、つなぎ資金になる
- 手数料がかかる(継続利用するとコストが積み上がる)
- 調剤報酬債権に対応していない会社もある
- 入金までの期間が長い分、資金化できる金額の見極めが必要
- 償還請求権(買い戻し)がある契約は、実質的に貸付に近い。契約前に確認する
調剤報酬を今すぐ現金化する
レセプトの請求実績があれば、資金調達について相談できます。相談だけでもOKです。
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📝 この記事のまとめ
- 調剤報酬(レセプト)の入金は、診療月のおおむね2ヶ月後。医薬品の仕入れは先払いになりやすい
- 薬価改定によって薬価差が縮小し、利益が圧迫されることがある
- 個人経営・小規模店舗は、大手チェーンのような資金の余力を持ちにくい
- ファクタリングは、調剤報酬債権を、支払いを待たずに現金化できる手段
- 対応している会社は限られるため、事前の確認と、複数社での比較が大切