- 🍳 食材の仕入れは先払いなのに、売上が安定するまで月末の資金が足りない
- 👨🍳 人件費・家賃・光熱費が重なる月末はいつもヒヤヒヤしている
- 📈 新店舗を出したいが手元資金が足りない
飲食業の資金繰りとファクタリング
飲食業は毎日売上が発生するように見えますが、法人取引(ホテル・式場・企業向けケータリングなど)では後払い請求が発生します。食材の仕入れは先払いが基本のため、原材料費が先に出ていき、売上(特に法人向け後払い分)は遅れて入ってくるという構造的なズレを抱えやすい業種です。この売掛金は、ファクタリングで現金化できる場合があります。
この記事では、飲食業のお金の出入りのズレを整理したうえで、ファクタリングの対象になる売掛金と、ならない売上の見分け方、カード売上の考え方、ほかの方法との比べ方を説明します。ファクタリングは、手数料がかかる資金調達の選択肢のひとつです。
お金の出入りのズレ:1か月の流れ
飲食店は、毎日お客様が来て、売上が立つ業種です。それでも、資金繰りが苦しくなりやすいのは、お金が出ていく時期と、入ってくる時期にズレがあるためです。
先に出ていくお金
- 食材・飲料の仕入れ(仕入れ先との条件によって、現金払い、または月末締めの翌月払いなど)
- 家賃、光熱費、通信費
- 人件費(アルバイトを含む、給与の支払日)
- 設備のリース料、ローンの返済
- 税金や社会保険料の支払い
あとから入ってくるお金
- 現金売上(その日のうちに入る)
- クレジットカード、QRコード決済、電子マネーの売上(決済サービスから、後日入金される)
- 法人向けのケータリング、仕出し、宴会、貸切などの請求(月末締め、翌月または翌々月払いなど)
- フランチャイズ本部からの精算金(契約で定められた時期)
たとえば、月末に家賃、給与、仕入れ代金の支払いが重なる一方で、キャッシュレス決済の売上の一部や、法人向けの請求の入金が翌月に回っていると、売上自体は足りていても、月末に手元の現金が不足することがあります。
1か月分の「入金の予定」と「支払いの予定」を、日付ごとに書き出すと、いつ、いくら不足しそうかが見えます。不足の時期と金額が分かると、必要な資金の額や、検討する方法を、絞りやすくなります。
業態別・対象になる売掛金一覧
飲食業は個人客の現金・カード売上と、法人向けの後払い売掛金が混在しやすい業種です。どちらが対象になるか整理しました。
| 業態 | 対象になりやすい売掛金 | 対象外になりやすいもの |
|---|---|---|
| レストラン・居酒屋 | 法人向けケータリング、企業の会食利用(月締め請求) | 一般客の現金・カードでのその場払い |
| フランチャイズ加盟店 | フランチャイズ本部への請求・精算金 | 店頭での個人客売上 |
| 給食・仕出し業 | 企業・施設との継続契約による請求書 | 該当なし(多くが法人契約のため対象になりやすい業態) |
| カフェ・カジュアル業態 | クレジットカード会社への売掛金(対応サービスによる) | 個人客の現金払い |
クレジットカード会社からの入金は、利用から実際の振込までに時間がかかります。カード売上を対象にするサービスもありますが、会社によって取り扱いは異なります。詳しくは、次の「カード・QR売上の入金サイクル」で説明します。
カード・QR売上の入金サイクル
個人のお客様が中心の飲食店にとって、大きな資金繰りの課題のひとつが、キャッシュレス決済の売上の入金時期です。お客様がカードやQRコードで支払ったその日に、店の口座へ現金が入るわけではありません。決済サービスの事業者が、締め日と入金日を定め、あとからまとめて振り込む形が一般的です。
締め日や入金日の設定は、決済事業者、加盟店との契約、売上の金額、手数料のプランなどによって異なります。月に何回入金されるか、締めから入金までに何日かかるかは、事業者ごとの契約書や管理画面で確認してください。
カード売上を、ファクタリングの対象にできるか
一般的なファクタリングは、法人・事業者に対する請求書(売掛債権)を対象にします。個人のお客様がカードで支払った分は、お客様に対する売掛債権ではなく、決済事業者から入金される債権になります。この債権を、買い取りの対象としているサービスもありますが、すべての会社が扱っているわけではありません。
カード売上を対象にするサービスでは、手数料、買い取りの上限、将来の売上を対象にしていないか、償還請求権の有無、決済事業者との契約への影響などを確認してください。将来の売上の見込みをもとに資金を受け取り、のちに売上から回収される形の契約は、実質的に貸付に近い場合があります。決済事業者との加盟店契約に、債権の譲渡についての条項がないかも、あわせて確認してください。
カード売上の入金待ちが課題の場合は、ファクタリング以外の方法(融資、仕入れ先との支払条件の調整など)と、比べて検討することをおすすめします。決済の障害で売上の入金が止まった場合の備えは、「クレカ決済障害で売上が止まったときの資金繰りの備え」で説明しています。
自社は対象になる?チェックリスト
- 企業向けケータリング・法人契約の請求書がある
- フランチャイズ本部との精算・請求関係がある
- 施設・企業との継続的な給食・仕出し契約がある
- クレジットカード売上の入金タイムラグを解消したい
活用のポイントと注意点
ファクタリングは、法人向けの請求(ケータリング、仕出し、宴会など)の入金を待つ間に、仕入れや人件費の支払いが重なる場面で、検討される方法です。融資に比べて、手続きが早く進む場合がありますが、手数料がかかり、売掛先の信用力が審査の中心になります。
使うときの考え方
- すべての請求書を出さず、必要な分に絞る(手数料は、出した金額にかかるため)
- 仕入れの繁忙期や、新店舗の開業前後など、資金が不足する時期と金額を、先に把握しておく
- 一時的な不足か、毎月の構造的な不足かを区別する(後者の場合は、ファクタリングの繰り返しより、固定費や仕入れ条件の見直しが先)
- 2社間と3社間の違いを理解し、取引先との関係を考えて選ぶ
毎月のように繰り返して使うと、手数料が積み重なります。継続利用のコストは、「継続利用のメリット・デメリット」で試算しています。
手取り額の計算例
ファクタリングでは、請求書の金額から手数料を差し引いた額が、手元に入ります。次の表は、説明のための仮定です。実際の手数料率は、契約形態(2社間・3社間)、売掛先の信用力、金額、会社によって異なります。
| 請求書の金額(仮定) | 手数料率 | 手数料 | 手元に入る金額 |
|---|---|---|---|
| 40万円 | 5% | 2万円 | 38万円 |
| 40万円 | 10% | 4万円 | 36万円 |
| 40万円 | 15% | 6万円 | 34万円 |
手数料のほかに、債権譲渡登記の費用や、事務手数料がかかる契約もあります。「実際に手元に残る金額の総額」で比べてください。
ほかの方法との比較
飲食店の資金繰りは、売掛金の有無によって、検討すべき方法が変わります。
| 方法 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| ファクタリング | 法人向けの請求書の入金待ちがあるとき | 手数料がかかる。売掛先の信用力が審査の中心。個人客のその場払いは対象外。 |
| 日本政策金融公庫の生活衛生貸付 | 開業・設備・運転資金を、計画的に調達したいとき | 飲食店営業を含む、生活衛生関係の事業が対象。申込金額や事業の規模、手続きの条件は変更されることがあるため、公式サイトや窓口で確認する。 |
| 銀行・信用金庫の融資 | 取引実績があり、返済計画を示せるとき | 開業直後は難しい場合がある。審査に時間がかかる。 |
| 仕入れ先との支払条件の相談 | 手数料をかけずに、支払日を後ろにずらしたいとき | 仕入れ先との関係や、取引量に左右される。 |
| 補助金・助成金 | 設備投資や販路開拓など、計画的な支出 | 後払いが多く、入金まで数か月かかる。 |
日本政策金融公庫の生活衛生貸付は、飲食店営業のほか、理容業、美容業、クリーニング業などの生活衛生関係の事業が対象とされています。一般貸付で申込金額が一定の額を超える場合は、都道府県知事の推薦書が必要になるなど、手続きの条件があります。最新の内容は、日本政策金融公庫の公式サイトや、各都道府県の生活衛生営業指導センターで確認してください。
融資との違いは「ファクタリングと銀行融資の違い」、売掛金がない場合は「ファクタリング以外の資金調達5選」、自分に合う方法の診断は「資金調達サービス比較ツール」で確認できます。
契約前の確認事項
ファクタリングを利用する場合は、次の点を確認してください。1社だけで決めず、2〜3社の条件を比べることが大切です。同じ請求書を複数の会社に売ることはできません。
- 手数料のほかの費用(登記費用、事務手数料など)がないか
- 償還請求権(売掛先が払えないときに買い戻す義務)がない契約か
- 売掛先との契約書に、債権の譲渡についての条項がないか
- 2社間か3社間か、取引先に知られる可能性はあるか
- 会社の所在地や運営者が確認でき、契約書を書面で受け取れるか
業者の見分け方は「怪しいファクタリング業者の見分け方」、失敗しやすい点は「ファクタリングで失敗する人の共通点7つ」で説明しています。
よくある質問
まず無料で「いくら調達できるか」確認する
売掛金・請求書があれば、早く資金化できる場合があります。手数料や契約内容を確認し、複数社で比べてから決めましょう。相談だけでもできます。
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📝 この記事のまとめ
- 法人取引の売掛金があればファクタリングを活用できる
- フランチャイズ精算・給食契約・カード売上も対象になり得る
- 新店舗開業・繁忙期の仕入れ増加時に特に有効
- 店舗数を問わず、売掛金の有無で判断される
- まずは無料相談で自社の状況を確認するのが最初の一歩