- 個人事業主でもファクタリングが使えるか知りたい
- フリーランスでも審査に通るか不安
- 法人と個人事業主で条件が違うのか確認したい
個人事業主・フリーランスがファクタリングを使える条件
個人事業主・フリーランスでも以下の条件を満たせばファクタリングを利用できます。
- ✅法人・企業クライアントへの請求書がある
- ✅業務が完了して請求書を発行済みである
- ✅通帳(事業用)がある
- ✅本人確認書類がある
法人との違い・注意点
個人事業主は、法人と比べて、審査が慎重になる場合があります。また、対応していない会社もあるため、複数社に相談して、個人事業主に対応している会社を探すことが重要です。手数料も、法人より高めになる場合があります。
業者のウェブサイトに「個人事業主OK」「フリーランス対応」と明記されているか確認しましょう。また無料相談で事前に対応可否を確認するのが最も確実です。契約前には金融庁の注意喚起にも目を通しておくと安心です。
個人事業主の審査で見られるポイント
個人事業主・フリーランスのファクタリングでも、審査の中心は「売掛先が、きちんと支払ってくれるか」です。自分の業歴や規模よりも、請求先の信用力と、取引の実態が確認できるかが重視されます。主に次の点が見られます。
- 売掛先の信用力:請求先が法人であり、支払いが確実だと判断できるか。
- 取引の実在:請求書に加えて、契約書・発注書・業務の完了がわかるやり取りなど、取引があったことを裏付けられるか。
- 入金の実績:通帳の入出金の履歴から、これまでの取引や、事業の実態が確認できるか。
- 本人確認:運転免許証などの本人確認書類。会社によっては、開業届や確定申告書の提示を求められます。
手元に残る金額のイメージ
50万円の請求書を、手数料10%で売却した場合、手数料は5万円で、手元に残るのは45万円です。個人事業主の場合、金額が小さいと、最低手数料や事務手数料の影響で、割合が大きくなることがあります。見積もりでは、手数料率だけでなく、実際に受け取れる金額を確認してください。
断られやすいケース
- 請求先が個人で、法人ではない
- 請求書を発行していない、または業務がまだ完了していない
- 請求金額が、その会社の対応できる下限に満たない
- すでに別の会社へ、同じ請求書を譲渡している(二重譲渡は、法的な責任を問われるおそれがあるため、避けてください)
- 取引を裏付ける資料が用意できない
ある会社で断られても、審査の基準は会社ごとに異なります。理由を確認して、個人事業主に対応している別の会社にも、相談してみてください。
利用の流れ
- ① 見積もり・相談:請求書の金額と入金予定日を伝え、対応可否と手数料の目安を確認します。
- ② 書類の提出:請求書、契約書や発注書、通帳のコピー、本人確認書類などを提出します。
- ③ 審査・契約:売掛先の信用力などが審査されます。契約書は、必ず内容を読んでから署名します。
- ④ 入金:手数料を引いた金額が、指定口座に振り込まれます。
- ⑤ 精算:売掛先からの入金が、契約に従って、ファクタリング会社に渡ります。
必要書類の詳細は必要書類の一覧、フリーランスに絞った内容は駆け出しフリーランスの活用法をご覧ください。
個人事業主ならではの注意点
法人と比べて、個人事業主には、いくつか特有の注意点があります。契約の前に、確認してください。
① 償還請求権があると、個人の財産に影響するおそれがある
売掛先が支払えなかったときに、買い戻しや弁済を求められる条項(償還請求権)がある契約は、実質的に貸付に近い契約です。個人事業主は、一般に、事業の債務について、個人の財産で責任を負う立場にあります。償還請求権の有無と、その内容は、必ず契約書で確認してください。
② 債権譲渡登記は、法人向けの制度
法務省の説明では、債権譲渡登記の制度は、法人が行う金銭債権の譲渡が対象です。個人事業主は、この制度で登記することはできません。債権の譲渡を、売掛先以外の第三者に主張するために、確定日付のある通知や承諾などの、別の方法がとられます。契約形態によって、取引先に知られる可能性が変わるため、2社間か3社間か、通知の方法は何かを、契約前に確認してください。
③ 報酬の源泉徴収で、請求額と入金額が違うことがある
報酬の種類によっては、支払う側が、所得税を差し引いて、国に納める「源泉徴収」を行います。その場合、請求書の金額と、実際に入金される金額が異なります。ファクタリングで、買取の対象になる金額が、請求額か入金額かは、会社によって異なるため、見積もりの際に確認してください。源泉徴収の対象になる報酬の種類や税率は、国税庁の案内で確認できます。
④ 事業用のお金と、生活のお金を分ける
事業用の口座があると、入金の履歴が分かりやすく、審査での確認も、進めやすくなります。ファクタリングで受け取ったお金と、手数料も、事業の記録として残してください。
⑤ 取引先の支払いが遅いときの考え方
フリーランス・事業者間取引適正化等法(2024年11月1日施行)では、個人で働くフリーランスに業務を委託する発注事業者に対して、取引条件の明示や、報酬の支払期日の設定などが求められています。支払期日は、物品を受領した日や、役務の提供を受けた日から60日以内の、できる限り短い期間で定める必要があります。対象になる取引や、禁止される行為には、条件があります。取引条件や支払いに問題があるときは、公正取引委員会や中小企業庁、厚生労働省などの相談窓口に、相談できます。
少額の請求書で、手数料の影響が大きくなる理由
金額が小さい場合は、手数料のほかに、最低手数料や事務手数料が定められている会社では、割合が大きくなります。次の表は、説明のための仮定です。手数料率を10%、手数料以外の費用を一律1万円としています。
| 請求書の金額(仮定) | 手数料(10%) | 手数料以外の費用 | 手元に入る金額 | 負担の割合 |
|---|---|---|---|---|
| 10万円 | 1万円 | 1万円 | 8万円 | 20% |
| 30万円 | 3万円 | 1万円 | 26万円 | 約13% |
| 100万円 | 10万円 | 1万円 | 89万円 | 11% |
同じ手数料率でも、金額が小さいほど、負担の割合が高くなります。見積もりでは、手数料率だけでなく、手元に入る金額の総額を、確認してください。
ほかの方法との比較
ファクタリングは、選択肢のひとつです。個人事業主が検討できる、ほかの方法と比べてみてください。
| 方法 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| ファクタリング | 入金待ちの請求書があり、短い期間で資金が必要なとき | 手数料がかかる。償還請求権の有無と、個人の責任の範囲に注意 |
| 日本政策金融公庫の融資 | 開業前後や、計画的な資金調達 | 審査に時間がかかる。「新創業融資制度」は2024年3月31日で終了し、4月以降は別の制度が用意されている。条件は変わるため、公式サイトで確認する |
| 金融機関の融資 | 取引実績があり、返済計画を示せるとき | 開業直後は難しい場合がある |
| 請求・回収の見直し | 手数料をかけずに、入金を早めたいとき | 取引先との契約や関係による。着手金・中間金の設定、請求書の発行を早める、など |
| 補助金 | 設備投資や販路開拓など、計画的な支出 | 後払いが多く、入金まで時間がかかる |
融資との違いは「ファクタリングと銀行融資の違い」、売掛金がない場合は「ファクタリング以外の資金調達5選」、診断は「資金調達サービス比較ツール」で確認できます。
契約前のチェックリスト
- 償還請求権(買い戻しの義務)がない契約か。ある場合の、個人の責任の範囲を理解したか
- 手数料のほかに、登記や事務手数料などの費用がないか。手元に入る金額の総額は、いくらか
- 2社間か3社間か。取引先に知られる可能性はあるか
- 取引先との契約書に、債権の譲渡を制限する条項がないか(2020年4月1日施行の改正民法では、譲渡制限があっても譲渡自体は原則有効ですが、債務者が支払いを拒める場合があります)
- 源泉徴収がある場合、買取の対象となる金額が、請求額か入金額か
- 会社の所在地や運営者が確認でき、契約書を書面で受け取れるか
- 2〜3社の条件を比べたか(同じ請求書を複数の会社に売ることはできません)
業者の見分け方は「怪しいファクタリング業者の見分け方」、失敗しやすい点は「ファクタリングで失敗する人の共通点7つ」で説明しています。
会計・税金の扱いについて
ファクタリングは、すでに発生している売上の入金を前倒しする取引です。受け取ったお金を、新しい売上として二重に計上しないよう、注意が必要です。また、引かれた手数料は、経費として処理されることが一般的ですが、勘定科目や処理の方法は、事業の状況によって異なります。
会計・税務上の扱いは、個別の状況によって変わります。処理に迷う場合は、税理士や、税務署の相談窓口に確認してください。
よくある質問
まず無料で「いくら調達できるか」確認する
売掛金・請求書があれば、早く資金化できる場合があります。手数料や契約内容を確認し、複数社で比べてから決めましょう。相談だけでもできます。
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📝 この記事のまとめ
- 法人取引の売掛金があれば個人事業主・フリーランスでもファクタリング可能
- 法人より審査が慎重になる場合があるため複数社への相談が重要
- 個人事業主対応と明記されている業者を選ぶのが確実
- 手数料は、法人より高めになる場合がある。少額では、手数料以外の費用の影響も大きい
- 償還請求権の有無、債権譲渡登記が法人向けであること、源泉徴収による入金額のズレを、先に確認する
- 融資や請求・回収の見直しなど、ほかの方法とも比べて決める